映画「パラサイト半地下の家族」感想ソン・ガンホの演技が気になる?

カンヌ映画祭で韓国初となるパルムドールを受賞した、ポン・ジュノ監督作品、映画「パラサイト半地下の家族」をみました!
前回パルムドールを受賞した「万引き家族」のおもしろさを実感していたので、今回の受賞作はおもしろいのかとても興味がありました。
R15ということもあり結構衝撃的なシーンもありました。
だから今回は、パラサイト半地下の家族の感想を述べていきます。


「あらすじ」


過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。
そんな甲斐性なしの夫に強く当たる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力の持て余している息子ギウ。
美大を目指すがうまくいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン、しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、「半地下住宅」で暮らす貧しい4人家族だ。
“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただ普通の生活がしたい・・・

公式サイトより

 


「キャスト」

キム・ギテク役(一家の主)~ソン・ガンホ
キム・ギウ役(ギテクの息子)~チェ・ウシク
キム・ギジョン役(ギテクの娘)~パク・ソダム
キム・チュンスク役(ギテクの妻)~チャン・ヘジン
パク・ドンイク役(大豪邸に暮らす社長)~イ・ソンギュン
パク・ヨンギョ役(パクの妻)~チョ・ヨジョン
パク・ダヘ役(パクの娘)~チョン・ジソ
パク・ダソン役(パクの息子)~チョン・ヒョンジュン
ムングァン役(パク宅の家政婦)~イ・ジョンウン
グンセ役(ムングァンの夫)~パク・ミョンフン
ミニョク役(ギウの友人)~パク・ソジュン

「作品の感想」

「ストーリーの評価」

この作品のタイトル「パラサイト」と聞いて、僕にとってはとても懐かしいタイトルでした。
瀬名秀明のSFホラー小説「パラサイト・イヴ」の記憶が蘇ってきますが、パラサイト・イヴも楽しめた作品でした。そのあたりから一般的にこの言葉を使われるようになった気がしますが、
今作の映画もタイトルがパラサイトなので、よりいっっそう興味が湧いてきたというか、楽しめそうな感じがしていました。

そもそも、英語のparasite「パラサイト」とはなにかというと、寄生虫などの寄生生物のことをいいます。

パラサイト・イヴのように寄生虫を作品にしている映画も結構多かったりします。(ゲーム版もあります)

そして、カタカナ語でいうパラサイトは、「他者に依存し続ける独身者」のこと指すことが多いです。
「パラサイトシングル」ともいったりします。

パラサイトシングルとは学校を卒業してもなお親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者のこと。

今作の半地下の家族は「親のスネかじって生活している1人男の物語」なのかと思っていましたが、今作は違います。


「貧しい4人家族が半地下住宅で生活している物語」なのです。
「そして貧しい生活から抜け出すために大豪邸で大波乱を起こします」


「兄弟、いえ、家族自体がパラサイトシングルになっているとも言えるかのような状態」

未婚者をパラサイトというので、親はパラサイトとは言えないので関係ないのでしょうが、結局家族全員が大豪邸にパラサイトします。


これだけでも興味が少しずつ湧いてくる作品なのですが、この作品のストーリーはありえない展開になっていました。


鑑賞しながら頭がこんがらがるというか、どういう展開になるのかわからない。そんなストーリー。


えっ!?という感じで、僕は鑑賞し終わってから現実に戻るまで何分か悩みました。


そんな先が読めない展開になっている作品、最近あまりなかったです。


ここで順を追ってストーリーの出来について僕なりにお伝えしたいと思います。

②「半地下住宅に住んでいる家族」

まず最初に、半地下住宅に住んでいる家族が「ありえない展開でお金持ち社長宅に出入りすることになる」という話がとてもおもしろいと思いました。
格差社会の現状を作品に溶け込ませているのですが、貧しい4人家族がお金持ちの家でお世話になるという展開は、「どうなるのだろう」という興味をそそりました。

それからというもの、ストーリー的には普段日常では考えられない展開になっていきます。

この作品で特に感じたのは格差社会の現実。
日本ではあまり馴染みがないですが韓国では結構「半地下に家」があります。
家の半分が地下になっている建物です。
つまり地下に家(部屋)が建っている場所があるのです。

※もちろん立地条件はあまりよくないですが、家賃が安いのが特徴。


韓国の格差社会を見つめ直すことができますが、半地下にいる生活がどういったもので、
上流社会に生きることがどういうことなのか。
この作品で流れてくる映像のなかに、格差社会の現実をまざまざと見せつけられてしまいます。


日本には馴染みがない建物で生活している人たちの苦労が伝わってきます。


実際にこの作品では、半地下に雨が入り浸水被害をするシーンも出てきます。


③「お金持ちの家に家族たちを連れてくる」


キム・ギテクの息子「ギウ」が家庭教師として大豪邸にいくことから家族を巻き込んでいきます。
大豪邸に行きパク・ダヘの家庭教師として雇われることになりますが、ギウが次々と家族を大豪邸につれてくるという展開はストーリーとしては楽しめました。
仕事をわけてもらうために家族を連れてくるところが他の作品にはなかった展開で、目新しい内容だと感じました。


・大豪邸に住む社長パク・ドンイクや美人妻のパク・ヨンギョのキャラクターも笑えます。
特に妻のパク・ヨンギョの素直すぎる性格が笑えました。


ヨンギョの素直すぎる性格がなければこのストーリーの展開にはならないし、演じているチョ・ヨジョンのキャラクターがこの作品をおもしろくしています。


④「大豪邸で波乱の出来事の数々」


大豪邸では、ドキドキ波乱のシーンが数多く出てきます。
そんな馬鹿な!というようなストーリーの展開がこの大豪邸で起こります。
ネタバレになってしまうので大事な部分はぜひ映画をご覧になって頂きたいのですが、
本当に驚くストーリー展開になっていると僕は感じました。

展開が読みにくい映画ってたくさんあるのは事実なのですが、展開が読みにくいストーリーになっているのに、次が気になる。
なぜか引き込まれてしまう作品になっています。


この場面で事実がバレてしまったらどうなるのだろうというドキドキするシーンもありましたし、


そういった場面で、そういうオチになるのかと驚いたシーンもあります。

とにかく、この大豪邸の中で起きるストーリー展開はインパクトもあるし内容にそこそこ満足できました。


なので、つまらない映画もたくさん観てきた僕に言えることは、この映画のストーリーはそれほど悪くなかったと感じています。

 

「キャストの演技」

 

キャストも豪華です。


特に、韓国の大御所俳優といっても過言ではないキム・ギテク役の「ソン・ガンホ」数多くの賞も受賞している韓国の俳優。

 

 

僕はソン・ガンホ作品も数々観てきましたが、映画「シュリ」も良かったし、映画、弁護人や密偵も楽しんでいた時もありました。

ソン・ガンホといえば怖い役も多い俳優ですが、「タクシー運転手約束は海を越えて」でその才能に度肝を抜かれました。


今作で彼が演じているのが父親の役。


とても陽気な父親なのですが、作品の中ではキム・ギテクの本性が出てきます。

その切ない思いを演技という形で表現している今役のソン・ガンホですが、伝わってくるものも多くありました。

パク・ドンイク役のイ・ソンギュン。

大豪邸の主人の役を演じています。

かっこいい韓国の俳優なのですが、今作で気になったのが「鼻につく演技」。


パク・ドンイク役のイ・ソンギュンが鼻につく匂いを演技で披露しているシーンですが、実は、「この嫌な匂い感じるという部分がこの作品の決定的な要の部分」でもあります。


嫌な匂いを感じている演技をイ・ソンギュンは演じたのですが


「嫌な匂いを感じる金持ちの男」といった部分の演技はとても伝わってきました、「お前は臭いという表現」が、この作品をより怖いものにしていった気がしてます。

その鼻につく匂いを感じる演技、非常に悲しく感じていました。

そして僕が気になったのは、パク・ヨンギョ(パクの妻)役の「チョ・ヨジョン」。
チョ・ヨジョンは韓国の女優でモデル。
38歳とは思えないその美貌、さすがにモデル、スタイルも抜群です。
今回の作品ではお金持ちの妻役を演じていますが、正直今回の演技がおもしろい。

日本の女優さんにはない演技力というか、韓国語だからまた作品に溶け込めるという部分もあり、演技が気になっていました。

子どもの母親役を演じていますが、お金持ちの母親らしくない演技というか、とにかく母親らしくない天然ぶりがとても楽しく見れたし、パク・ヨンギョはそんなに人を信用して大丈夫なのか、逆に心配になりました。


ですが、子をもつ母親として、子供が何より大切で、子どもたちをなんとかしたい!

という母親の思いは誰よりも強いことがとても良く伝わってきました。

そして、彼女の演技がこの映画の決めてになっているというか、彼女のほんわかした母親役からは想像もできない展開になるといった予想外の展開が逆に楽しめました。


キム・ギウ役のチェ・ウシクは映画「新感染ファイナル・エクスプレス」にも出演していたのが記憶に新しいですが、ポン・ジュノ監督のオクジャ/okjaにも出演しています。
これからも楽しみな若手俳優です。


そしてキム・チュンスク役のチャン・ヘジンが半地下にいる女房役として登場しますが、実はチャン・ヘジンの演技で最高に笑ってしまったシーンがいくつかあります。

その中でも、パク宅の家政婦(ムングァン)に蹴りを入れるシーン。

これには驚いたと同時に笑っては失礼なシーンなのですが、怖すぎてなぜか笑ってしまいました。

なんちゅーことするのだと・・・。

その瞬間のケリがとても衝撃的で、蹴らなければすべてがバレてしまうといった瀬戸際にある緊張感の中で演じる彼女の演技が結構良かった。


「笑いと悲しみ」


この作品、笑いも多くありました。
半地下の窓から立ちションする人の光景も少し笑えたし、キム・ギテクの父親ぶりにも笑えます。
キム・ギジョン役(ギテクの娘)の家庭教師ぶりや、ギジョンが書類を偽造する腕にも笑えました。パク・ソダムの演技も悪くないです。
そのキャラクターを見て、なぜか笑ってしまうという部分もありました。
ありえない展開の中で多くの笑いというものが見る人によって違うと思いますが、確かにあるはずです。

そしてこの作品は、悲しみも多くありました。
生きるためには食べなければいけません。食べるためにお金をなんとしてでも稼がなければならない半地下の家族。
そこには、半地下生活にある多くの悩みと夢があり、今ある現実のギャップに悲しみが伝わってきます。

そしてそこから抜け出そうとする家族。


仲の良い家族だからこそ、家族が団結しあって人生を変えていこうとする葛藤がうまく表現されていたし、絆にある家族たちの気持ちが伝わりました。

その思いとは反対に、作品の中ではこの家族の幸せが遠のいていくのです。

結果、悲惨な結末になっていくのですが、それが泣ける部分でもあります。


「おもしろかったところ」

おもしろかったところは、やっぱりこの後どうなるのだろうという展開の部分。
僕は多くの映画作品を観てきましたが、良い作品はテンポの良さみたいなものがあると感じています。

いくら、出演者が良くてもストーリーがダメなら全然おもしろくないし、ストーリーが良くても演技がよくないならおもしろくないです。

そういうことをふまえて考えてみると、ストーリーと役者の演出が程よく合っていたかなと感じています。


つまり、すべてのものをミックスさせて良いものが出来ているといった感じがします。

演技のおもしろさも必要です。そしてもう1つ、この作品は演技やストーリーといったおもしろさ以外に「景色のおもしろさ」というのもあります。

というのも、「家の中の大きな窓から外を見るストーリー展開」がとても楽しめた理由の1つでもあるし、逆に「家の外の大きな窓から家の中を見る謎めいた」演出があります。


よく映画の中で使われている演出なのですが、同じ大きな窓を見るのでも、家の中からみる外の景色と、家の外からみる家の部屋の景色はまったく違います。


開放感ある大きな窓、その窓から進行していく3Dのような物語の内容がとてもおもしろかったです。

「ドキドキしたところ」


自分の心臓の鼓動が聞こえてくるような「ドキドキ」した感情もたくさんありました。

ドキドキ感も映画をみるにあたり非常に大切な部分です。


この作品の中で特にドキドキしたところは、真実がバレてしまうかバレないかの紙一重なストーリー展開にあります。


もうバレてしまいそう。そういった展開が続いていくその瞬間はドキドキ感がたまらなく、どうなるかという演出がうまくできていました。

相手の家族にバレるぞ、バレそう、あーヤバい。その中で流れる映像と演出がこの瞬間のドキドキ感を後押ししています。

そしてそのドキドキ感から、突然、ありえない方向に向かっていくどんでん返しが起こります。

この突然瞬間的に裏切られるパターンの展開って、やはりおもしろいです。

作品をみる中で、ある程度先を読みながら、こういう展開になるだろうとか、ああいう展開も想像できるかなとか、次の展開をある程度予想してしまう癖が僕にはあります。


そういった部分も映画を観るたのしさでもあるかと思いますが、この作品は本当に裏切られました。

今の僕には想像できなかった。

その展開にガツンとやられた感がありますが、そういった良い意味で視聴者を裏切れるパターンの作品こそおもしろい映画が多いのも事実です。

だからこの作品が受賞された理由もなんとなくわかるような気がします。

 


「最後に」


良いですな、韓国作品も。

だから最後に韓国映画の良さをお伝えしたいと思います。

韓国映画の魅力といえば高レベルな描写とバイオレンス、考えぬかれたストーリーを高い演技力をもって演じる俳優ではないでしょうか。
素敵な女優もたくさんいますし、あきらかに格好良い俳優も数多くいます。
音楽も素晴らしいので、作品をより高いレベルに完成させていきます。

この作品でもそうですが、韓国映画で俳優が演じる姿は、誰でも観るべき価値があると感じています。

もちろん、日本の映画もおもしろい作品がたくさんありますが、韓国作品の良さも今まで感じてきました。

僕は、ジャンルにとらわれずアメリカなど海外の作品もよく観ますし、フランスの映画もみます。

その中でも、「韓国映画の良さ」は確かにあります。

恋愛でもアクションでも、伝わるものは伝わるし、1つの作品が人生を変えてしまうこともあるのです。


例えば「ドラマ」ですが、日本人なら、韓国作品の中で特に印象深い作品が「冬のソナタ」ではないでしょうか。

この作品をみて、僕は韓国の作品を好きになったのですが、今回僕が感想をお伝えした作品、「パラサイト半地下の家族」に出演している「ソン・ガンホ」の存在は、韓国映画を楽しむうえで非常に大切な存在です。


だから最後に、「ソン・ガンホ出演作品ランキングTOP10」をご紹介します。


10位:渇き
9位:シークレットサンシャイン
8位:グッドバッドウィアード
7位:観相師
6位:グエムル-漢江の怪物-
5位:殺人の追憶
4位:JSA
3位:弁護人
2位:シュリ
1位:タクシー運転手約束は海を越えて

半地下の家族を観た後でも、逆に観る前でも、ソン・ガンホ出演の他の作品を観て堪能するのも韓国映画の楽しみ方だと僕は思いますよ。


読みづらい点もあったと思いますが、最後までお読み頂きありがとうございました。

 

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