新海誠作品おすすめランキングTOP10『みてよかった!』

新海誠の新作、天気の子が2019年7月19日に公開されました。

さっそく新作を観たのですが、もうね、新海ワールド炸裂!って感じがしました。

新海誠監督は今まで6作のアニメを作っていて、小説を書く(原作者)という立場でもある人気アニメーション作家です。

新作ではどのような話になっているのかとても興味がありました、そして映像や絵の内容も楽しみにしていました。


今回は、今までの作品を振り返りながら新海誠作品おすすめランキングをお伝えしたいと思います。

新作の「天気の子」も、もちろんランキングに入っていますので楽しみに読んでいただければ幸いです。

(※作品ランキングはあくまでも僕が作品をみて感じたランキングです!
このサイトの作品ランキングをあなたが見て本当におもしろいのか、おもしろくないのかは個人差があります)その辺りはご了承ください。


だけどおもしろいとおもいます。

 

せっかくこのページに来てくださったのですから「良い映画をみて楽しんでもらいたい」と心から思っています。

だからこそ、僕が選んだ本当におもしろいおすすめ作品をこのサイトではお伝えしています。

 


第10位「ほしのこえ」

 


新海さんの作品はもう奥が深いです、25分間のアニメーションにこめられた思いは理解することができませんでした。

この作品は宇宙と地上で別れた少年と少女の遠距離恋愛を描いたものなのですが、SFをモチーフにした作品が登場したことにまず驚いたことと、
ただのアニメーションではないと感じずにはいられませんでした。

アニメーションの中にある表現は、この頃から素晴らしい才能を発揮しています。


この作品は自主制作アニメーションで、SFロボットアニメです。


新海さんの新作のSF作品にも期待したいところ。

 

 

第9位「遠い日2007Ver.2」

 


長野県内で放送されている信濃毎日新聞のCM。このCMは監督制作のCMなのです。
「遠い日2007Ver.1」編と「遠い日2007Ver.2」編があります。

監督:新海誠、主題歌:タテタカコ、少女の声:近藤好美~

列車に向かってお父さんと叫ぶ娘、とても短い動画時間の中でなぜか泣きそうになってしまいます。


絵も最高にうまいと思いますし、風景も良いです。

歌もグッときますが、歌を歌っているタテタカコは新海監督と同じ長野県出身ということで縁あってのCMでもあります。


この風景なのですが、新海誠の故郷、長野県南佐久郡小海線の風景をモチーフにしている絵で、新たに導入されるハイブリッド車両に乗る父に向かって叫ぶ娘という設定。


この短時間で父と娘の切ない物語をうまく表現できるのは新海監督ならでは。


本当に監督は父と娘の愛情表現を物語にして書くのがうまいです。


特に父親の視点で泣かせるのも上手だし、娘が父親離れしていくことに寂しさを感じる父親の気持ちは最高に泣けますよ!


その他でも、娘と父親の気持ちをうまく作品にしているのは「だれかのまなざし」もそうです。

「だれかのまなざし」も後でランキングに登場するので、ここでは詳しいことは述べませんが、

父と娘ってなぜか泣けるんですよね。

監督の手掛けるCMも今では多いです。

 

初めて大成建設のCMを見たとき、絵の凄さに驚いたのを今でも覚えています。

一体誰が描いているのか不安で眠れない夜をすごしましたから。


最初見たときは、宮崎駿がと思うくらい最高にジブリ漂う絵でしたが、宮崎駿ではないと感じていました。


ジブリに近い作品ですがまったく違うのです。

僕は、監督の絵はジブリ作品とは違う、監督のブランドが確立された絵だと思っています。

この作品は15秒と、とても短い時間の作品なのですがおすすめです。

 


第8位「彼女と彼女の猫


自主制作版「彼女と彼女の猫」は白黒アニメとなっています。

白黒だからこそ最高に良いものが出来上がっています。

新海氏は当時自宅で映像作品らしきものを作れるということ自体にひたすら喜びがあった頃の作品だそうです。

彼女と彼女の猫は新海氏が完全に個人で制作した短編アニメーション。
新たな制作陣によるTVアニメが放送されましたが、自主制作版は第12回CGアニメコンテストグランプリ受賞作品。

 

 

そして完全版になった「-EverythingFlows-」

 

 

 

 

彼女と彼女の猫-EverythingFlows-の監督は坂本一也、脚本は永川成基。
新海氏が監督を務めるのが通常なのですが、この作品は、新海氏が脚本、監督を務めていないので最近の作品を思えばとても珍しい作品です。

 

「ストーリー」

雨の日に猫を拾ってきた、その猫は彼女の猫になった。彼女も一人暮らしをすることになった、

就職活動に追われている彼女と猫の暮らしがはじまる。


「感想」


この作品、彼女が主人公なのですが、もう1人主人公がいます。


それは・・・猫です。

彼女と猫を主人公にしたこの作品なのですが、


物語の語り手をしている黒猫の視点がストーリーをおもしろくしていて、
猫の彼女に対する熱い想いを感じたりして、主人公の黒猫のキャラクターがなぜか物語を面白くさせています。


なんかほんわかして優しい気持ちになりますよ、この作品。


さらにオープニングテーマ曲「硝子の鐘」、エンディングテーマ曲の「ソナタ」がさらにほんわかしてくるんです。

それでいて切なさもたくさんあるので、自主制作版と完全版を見比べてみることも楽しいと思います。


内容の違いを見比べてみると、それぞれ楽しい部分、悲しい部分などの表現のしかたの違いに気づくはずです。

2019年8月に僕は「彼女と彼女の猫-EverythingFlows-」をU-NEXTで約8分の動画全4話をみましたが、この作品は編集の違いにより、5分弱の自主制作版はU-NEXTでは見れません。

 

U-NEXTの動画で見られるのは新たに制作陣が加わった7分ほどのアニメです。


sec.1:彼女と彼女の部屋(7分)
sec.2:彼女と彼女の空(7分)
sec.3:彼女と彼女のまなざし(7分)
sec.4:彼女と彼の物語(7分)


さらにU-NEXTでは27分の完全版も見ることができました。(※2019年8月時点)


完全版彼女と彼女の猫-EverythingFlows-(27分)

 


第7位「雲の向こう、約束の場所」


この作品は新海監督初の長編アニメーションであると同時に、監督や脚本、演出や作画、編集のほとんどを新海監督がおこなったそう。

すごいですよね、作品を見る以前に監督の人間性に興味が湧いてきます。


長年映画作品や漫画、ドラマを見てきましたが、ほとんどすべてを行う人ってなかなかいないと思います。

昔から映像をみてきた僕にとって驚いたことは確かです。

確かに最近では急速に時代が進歩してきたきがします。


コンピュータを誰もが気軽に使うことができ、スマートフォンでもインターネットを気軽に自由自在に扱える時代になってきました。

僕は、映像を見ることは慣れていますが、作ることはド素人なので制作についてはあまりよくわかりません。

ですが最近ではほとんど1人でものを作ることができるんですね。新海監督のような天才なら誰もが見たことのないオリジナルを作ることができてしまいます。

彼はそんな大成を成し遂げた第1人者といっても過言ではないと思います。

この作品は「ほしのこえ」に続く2作目の作品。

 

「あらすじ」


1996年~現実とは異なる世界、戦後に日本が南北に分裂された世界を舞台にした場所で、
北海道=エゾはユニオンという国の支配下におかれます。

ユニオンは世界の半分を覆う群で、アメリカと激しく対立していた。

アメリカ群統治下にある青森で、中学生のヒロキとタクヤはいつか自分たちの飛行機(ヴィラシーラ)で、国境の彼方にそびえ立つ謎の塔まで飛ぼうと約束する。

夏休みに2人は憧れの少女、サユリと一緒の塔まで飛ぼうと約束をするが、何も言わずサユリはいなくなってしまう。

ヒロキとタクヤは飛行機作りをやめてしまうのだが、その3年後、サユリが眠り続けていることを知る。

彼女を救おうと決意した2人は思いもかけず「塔」とその世界の秘密に近づいていくことになる:・・・

 

「声の出演」


ヒロキ(藤沢浩紀):吉岡秀隆
タクヤ(白川拓也):萩原聖人
サユリ(佐渡佐由理):南里侑香
岡部:石塚運昇
富澤:井上和彦
マキ(笠原真希):水野理紗


「感想」

ヒロキ(藤沢浩紀)の声の担当が吉岡秀隆だとゆうことに驚いたのと、監督はまた声優のチョイスが良いですね!

「北の国から」時代から聞いてきましたが、吉岡秀隆の声って作品に深みがででくるんですよ。


さらにタクヤ(白川拓也)の声を担当しているのは萩原聖人。

彼も役者なのですが、いままで多くのナレーションをしています。

この2人の声を選んだ監督はホントにナイスとしか言いようがないです。

さて、物語なのですが、まず僕が感じたのは絵の凄さです。


この作品の頃から監督の絵の凄さを実感できることでしょう。

今までにないタッチで描かれる絵は素敵な絵です。

駅の看板や津軽海峡を走る列車や風景、街灯や看板、すべてがリアルで繊細です。

絵が楽しめるので物語もより楽しく見ることができます。

さて、ヒロキとタクヤは自分たちで作った飛行機で謎の塔まで行こうとしていたのですが、
飛行機を作りながら憧れのサユリと語りあっていたのですが、それからいきなりサユリがいなくなってしまうという展開に少し驚きました。

「サユリにそれから会っていない!」・・・というヒロキに


・・・ん・・・なんで?


ってなりました。


その3年後から物語は進んでいくのですが、サユリがいなくなってしまったことで飛行機作りをやめてしまったこと、ヒロキは東京の高校生活で、後悔や寂しさなど、すべてをマイナスに考えて生活していたのです。

 

僕も物語の続きが知りたくてワクワクして見ていくことができたのですが、


彼女は眠り続けたままです。

 

彼女を眠りから覚ますためにヒロキたちは塔にいくことを決心します。


サユリを救うか世界を救うのかという問題にまで発展していたのですが、
サユリを救うためにタクヤもヒロキが塔にいくことを決意し2人はまた3年前のようにコンビを再開します。

そしてヒロキは眠り続けているサユリと共に塔へ向かって飛んでいくのですが、この結末はこの作品を見て感じてほしいです。


ただ僕が思うのは、この作品は映画「天気の子」に通じるものがあるような気がします!


主題歌:「きみのこえ」(川嶋あい)の歌も最高でした。


おすすめです。(※2019年8月U-NEXTで観れました)

 

 


第6位「星を追う子ども」  


監督の作品「星を追う子ども」の内容がジブリっぽくておもしろかったですおもしろかったのはホントなのですが、この作品・・・ジブリそのものなんです。

 

 

 

アニメーションを見たとき、これってジブリなんじゃない?

そう思っていました。

とにかく似ているんですよね。

 

「あらすじ」


ある日、少女アスナは地下世界アガルダから来たという少年シュンに出会う。
2人は心を通わせるも、少年シュンは突然姿を消してしまう。

「もう一度あの人に会いたい」そう願うアスナの前に、シュンと瓜二つの少年シンとアガルダを探す教師モリサキが現れる。3人はそれぞれの想いを胸に、アガルダの地へ旅に出る。

 

「キャスト」


アスナ:(渡瀬明日菜)金元寿子
シュン/シン:入野自由
モリサキ(森崎竜司):井上和彦
リサ:島本須美
マナ:日高里菜
ミミ:竹内順子


音楽:天門


主題歌:「HelloGoodbye&Hello」作詞・作曲・歌・熊木杏里

 


「感想」

新海監督が子供の頃に影響をうけた作品の中で「天空の城ラピュタ」を上げています。
ちなみに、宮崎駿監督が手掛けた未来少年コナンもよく見ていたと語っています。

ジブリに似ているのはわかった、監督がジブリ好きなのもわかった、しかしながらこの作品が本当に面白い作品なのかそうでないのか、
じっくりと鑑賞していきました。


確かに登場人物とかファンタジックなキャラの登場はジブリには似ているものの、内容を考えると、ジブリとは違う世界観があることが感じられます。


石を使って魔法つかいのようなパワーでアスナを助けたシュン。


シュンに助けられたアスナはシュンに恋をしてしまったのです、だからシュンがいなくなってしまった後もアスナはシュンを探します。

少し目元がナウシカに似ているアスナへの想いを僕は無視し(ジブリを見ている気分になるのでナウシカの事をあまり考えないようにして)、僕は物語に集中していきました。


シュンと似た人物「シン」に出会うアスナ。


実はシンはシュンの弟なんです。


「キングダム」の演出はまた違ったものになりますが、
似たような顔の登場人物というのに親近感がわくというのは現実の世界でも同じですが、「入りこんでしまいますよね」、昔からこういう演出は多いです。


さて、冒険チックで進むこの物語、鉱石クラヴィスという光る物体が大きなカギになっています。

クラリスと聞いてルパン三世に出てくる王女「クラリス」をイメージしてしまいましたが、ルパンのクラリスではなく「クラヴィス」です。
このクラヴィスは光ったり飛んだりしますが、天空の城ラピュタでもキーアイテムが飛行石だっただけに、よく似ているアイテムです。

似ているといえば、アスナと猫のふれあい感が「ナウシカ」と「キツネリス」のふれあいに見えてしまうほど似ています。


さらにジブリの「もののけ姫」で多く登場する「猩々」(目が赤色で大人数の黒い物体)がキモいのですが、この作品に出ている夷族がよく似ています。


作品を観ていく中で僕が新たに感じたことは、キャラクターやシーンによっては確かにジブリに似ていますが、監督の作品にこめられた想いはとてもメッセージ性が強かったし、ジブリとは異なり、どちらかというと大人向けの作品だと感じました。


実際にジブリにはない部分がたくさんあるという結論。


確かに、キャラクターやシーンはジブリ作品を思い出すような映像となっていますが、内容は違うのです。


大切な人と永遠の別れを惜しむなどの、人間としての価値や気持ちやその中にある想い、すべてを五感で感じられる作品になっています。


おすすめです。 (※2019年8月U-NEXTで観れました)

 


第5位「だれかのまなざし」

 

 

野村不動産のCMを監督が手がけた短編アニメーションです。


短い時間の中で心をつかむ作品はもう監督の凄さですね。

 

この作品、はじめに紹介した遠い日2007Ver.1につながるものがあります。


父親と娘の関係を作品で表現していますが、娘を思う父親の気持ちにうなずけるし、娘を思う父親の気持ちは、娘にはなかなかわからないものだということも表現できます。

 

娘には娘なりの気持ちがあって、その気持を父親に見せたくせない、成長して大人になりつつある娘だからこそ、その間にあるいたたまれない想い、その感情表現をうまく伝えている作品だと思います。

 

そして、父親の優しさにグッとくるし、娘の思いにもグッときて、家族として生まれてきた運命の中にあるお互いの大切な関係を、もっと大切に想う関係だからこそ、言えない部分、そっとしておかなければいけない部分、言いたいことをあえて抑えて本当のことを言わない部分にとても泣けます。


監督らしい作品だと感じます。


おすすめです。

 


第4位「言の葉の庭」


この作品でアニメーションがよりリアルになった印象をうけました。

雨や木、草花、ビルや階段すべてが映像のように本物で、美しい景色を見ているかのようなアニメーション。

この頃の作品から映像が写真を見ているかのような心地よさをリアルに表現されています。

実際アニメーションでここまでリアルに表現されているものを公開当時の僕は今まで見たことがありませんでした!


そのせいか、「言の葉の庭」をはじめて観たとき衝撃が走ったことを今でも鮮明に覚えています。


自然の中に当たり前にある雨や木の葉を鮮明に演出されるのですから、まだ観ていないのなら驚くはずです。

美しいアニメだな・・・僕はその言葉をそのまま声に出していました。

 

「あらすじ」

靴職人を目指す高校生「タカオ」は雨の日になると授業をサボり庭園で靴のデザインを考えていた。
そんなある日いつものように訪れた庭園で謎めいた年上の女性ユキノと出会う。

その後も何度も顔を合わせるうちに2人だけの交流がはじまる。

タカオは靴職人になる夢を語り、味覚障害だったユキノはタカオの作る弁当を食べ美味しそうに食べた。


ある日ユキノはタカオに靴作りの本をプレゼントした。


タカオはユキノのために靴を作ることにした。

 

「声の出演」

タカオ(秋月孝雄):入野自由
ユキノ(雪野由香里):花澤香菜
タカオの母:平野文
タカオの兄:前田剛
タカオの兄の彼女:寺崎裕香
松本:井上優

 

「感想」


新海監督5作目の劇場用アニメーション映画。

授業をサボり庭園のベンチで靴のデザインを考えていたタカオは、昼間からビールを飲むユキノに出会うのですが、

タカオがユキノにこう尋ねます、「どこかであったことありますか?」

いつだったか、僕も見知らぬ女性に声をかけるため使った手ですが、ユキノはこう答えます。


「雷神の少し響みてさし曇り雨もふらぬか君を留めむ」


万葉集の短歌です。


へ?・・・となりますよ、こんなセリフを残し去っていかれたら気になりますよね。


実は、「雷神(なるかみ)の少し響(とよ)みてさし曇り雨もふらぬか君を留めむ」言葉の意味は、

「雷が鳴って雨が降ってくれればあなたを私の側に留めておくことができるのに」

なんともロマンチックですね。

 

タカオとユキノが出会えるのはタカオが学校をサボると決めているのは雨の日の午前中だけ、
雨が降るなか、2人だけの時を公演のベンチで過ごします。

雨の日に会えなくなったときに、やっと会うことができたタカオはユキノにこう言います。

その言葉の返し歌として、「雷神(なるかみ)の少し響(とよ)みて降らずとも我は留らむ妹し留めば」

意味:「雨なんか降らなくても君が望むならここに留まろう」万葉集も良いですよね。


この作品では、万葉集の返し歌まで出てくるのですが、ロマンチックすぎて恥ずかしくなるほどです。

偶然出会ってしまった生徒と教師の恋愛事情。(恋愛とまでいかないギリギリの線)


純粋な気持ちをそのままに、人間としての気持ちをただ純粋に、出会った2人の物語。

僕は教師と生徒の恋愛事情を題材にした作品もたくさん見てきましたが、それほどエロい関係までいかないところがこの作品の良いところだと思います。


ただ純粋に、好きになった人を好きだという本当の気持ちに感動しますし、心は熱いのに、本当は違うのに、そういう気持ちとは別に、
社会のルールを破ってまではいけない!という「止まれ」という名の標識をお互いにもっているところの安心感がほどよく、作品に対して温かい気持ちになる作品でした。

この切ない気持に我慢できず泣く人はいると思います、なので、泣ける映画作品でもあります。


おすすめです。(※2019年8月U-NEXTで観れました)

 


第3位『天気の子』

 

天気の子は第44回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門出品作品。

 

 

2019年7月19日公開の作品。


君の名は公開から3年ぶりとなる作品なだけあって、僕も劇場公開の日が待ち遠しかったのですが、
やはり監督らしい作品となっていました。

映画大国インドで公開決定されるほどインドでも人気となっている「天気の子」。

インドでは、大人が映画館でアニメを見る文化はありません!

インドで一般公開されたアニメは「ドラゴンボール超ブローリー」だけなので、それほどこの作品に期待しているのがよくわかります。

新海監督が手がけた「君の名は。」の人気もそうとうなもので、

ファンの署名があつまり、今回、インドでも公開が決定しています。

香港、タイ、ロシア、韓国、台湾、シンガポール、ベトナム、インドネシア、オーストラリアなど・・・

もはや日本だけではなく、世界のアニメファンたちにも人気で、海外の人たちがこの作品を楽しみにしています。


この作品を見てまず最初に感じたのは、リアルさ。

監督の好きなところはこのリアルさなのです。


雨粒1つとっても、これだけ雨粒を大きく表現するアニメーションはみたことないし、電柱や看板などもとても写真のようにリアルで、よく知っているロゴが当たり前に出てきます。


流れる白い雲、くもった雲にかすかな光が反射して透き通る部分の表現の仕方などは、とても好きです。


ハンバーガーショプの看板とか、知っているブランドが表示されているだけで(わかるわかる)ってなるし、見ていてとっても楽しいです。


さて今回の作品、おもしろいのか、おもしろくないのか・・・


僕なりの感想を述べていきます。

 

 

「あらすじ」

高1の夏に離島から家でをし、東京本土にフェリーに乗ってやってきた帆高。
ネットカフェで暮らすも残り金が尽きてしまう。そんなある日、フェリーで出会ったライターの須賀圭介と出会う。
お金に困り圭介の営んでいる編集プロダクションを頼る。

住み込みで食事付きの条件でこのプロダクションで働くことになった帆高は、

ある事件に巻き込まれる。

そこで、晴れ女の天野陽菜(あまのひな)と出会う。


帆高は、祈るだけで晴れ間をみせることができる能力をもった天野陽菜と一緒に、その能力で商売することになった・・・

 


「登場人物」:声

森嶋帆高(もりしまほだか)声:醍醐虎汰朗


天野陽菜(あまのひな)声;森七菜


須賀圭介(すがけいすけ)声:小栗旬

須賀夏美(すがなつみ)声:本田翼

立花富美(たちばなふみ)声:倍賞千恵子

天野凪(あまのなぎ):声:吉柳咲良

安井刑事(やすい)


「感想」


簡単ではない作品だと僕は感じました。

なぜそう感じるのかは、今までにみたことないストーリー展開になっていたからです。


この作品は、天野陽菜が空に願うと天気を晴れにしてしまうという設定なのですが、僕にも理解不能な場面が出てきますし、
なぜそうなったのか、なぜそう決断してしまったのか、もっと良い選択肢はなかったのか・・・


映画を観終わった後でもなぜかすがすがしくない気持ちになっていました。


天気を左右できること、できないことがここまで深刻な問題になるのかということと、

雨が止まないという設定に不意をつかれた感じがします。


雨は天の恵みともいえるし、雨は天の嫌がらせとも捉えることができます。


例えば、雨が降り続くと人間は不愉快な気持ちになるし、外に外出するのも億劫になるものです。


なのですが、この作品の伝えている部分がなぜかすがすがしくない気持ちになってしまう。

大事な人を守るのが1番大切なことはわかっていますが、それで本当にいいのか!という部分もあったりして、

観ているこっちが迷ってしまいそうになるのです。


天候の恐ろしさや、人間のちからではどうすることもできない!事情というきれい事ではすまされない問題。


TVのアニメならその作品内で完結させますが、

すべてを解決させない部分がまた新海監督の凄さなのだろうと感じずにはいられませんでした。

ストーリー的に僕が知らないまったく新しいストーリー展開になっていたので、僕は考えさせられるんだと思います。

この映画は、見る人によって捉え方は違う映画になっていると思います。

すがすがしく快適に映画を観終わったか、そうでないのかは大きな違いがあります。


「君の名は。」でいえば、清々しく観終わった感じがあり、ポジティブに観終えることができました。


ですが、世間の抱えている問題や天候を左右することができない人間のはかなさなどをひっくるめて考えさせられる作品なので、

映画を観終わった後も、引きずってしまうような展開になっています。


捉え方がどうあれ、映画やアニメ好きならこの作品を見て後悔はしないだろうと僕は感じています。

おすすめです。


第2位「秒速5センチメートル」

 

 

秒速5センチメートルは2007年に公開された3本の連作短編アニメーションです。

秒速5センチメートルの意味は、「舞い散る桜の花びらが地面のおちていく速度」。

一人の少年の人生を軸にした三本の連作短編になっています。


監督の第3作目となる劇場公開作品となります。

 

「一作目」桜花抄(おうかしょう)
「二作目」コスモナウト
「三作目」秒速5センチメートル


「登場人物」:声


遠野貴樹(とおのたかき):水橋研二
篠原明里(しのはらあかり):近藤好美/尾上綾華
澄田花苗(すみえだかなえ):花村怜美
水野理紗(みずのりさ):水野理紗

主題歌:「One more time,One more chance」(山崎まさよし)


「ストーリー」


小学校の卒業と同人に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。
二人の特別な想いを胸に時間だけが過ぎていった。


貴樹と明里の再開を描いた一話の桜花抄(おうかしょう)
その後の貴樹を別の人物のしてんから描いた「コスモナウト」、そして彼らの彷徨を切り取った表現作の「秒速5センチメートル」。

3本の連作アニメーションとなっています。


「感想」


この作品でさらにアニメーションが美しくなっています。


すべての画面がリアルすぎます。


駅の再現、場所の再現、風景の再現、天候の再現、すべて最高の演出です。


この作品は小学校からさかのぼる男女の恋愛物語です。

遠い日、僕にも初恋がありました。

そんな昔の初恋をふと思いだしてしまう作品になっています。


小学校や中学校の頃、誰にだって1度は好きになった人がいると思います。


学校から帰ると相手のことが気になってしかたがない。

相手のことを考えるとなにをやっても手がつかない、ぼーとしてしまう、そんなことあったと思います。


恋っていいものだと思っていますが、同時に簡単にはいかないことの方が多いものではないでしょうか?

この作品を見て感じるのは、不器用な年齢だからこそ、お互いに暗くなってしまう部分の表現をうまく伝えていると思います。

恋愛って、ポジティブな面もありますが、どちらかというと苦しくて辛い部分も多くあるような気がします。

実際この作品では、会いたいけど会えないといった、すれ違う部分の表現が多くででいます。


「来年も桜をみれるといいね」そういって転校してしまった明里。


二人は離ればなれになってしまいますが、文通をやりとりして会いにいくことになります。


その過程がなぜか泣けるし、文通のやりとりってなぜか懐かしさがあります。


今でも文通の手法は忘れられていない安心感にホッとします。

最近ではスマートフォンでピコピコ文字を打つ時代になっているので。

そう考えると、この作品はどちらかというと大人向けに作られた感じがしますが、電車で会いにいくところがまたドキドキ感と不安感が思い出されます。僕にも似たような出来事があったので、わかる、わかる、何度もつぶやいていました。


ふと、青春時代にもどりたいとき、この作品が良いでしょう。


昔通った学校や橋、風景、そして友達、なぜか懐かしさで思い出してしまいます。

自分の人生を振り返りながら、映画を堪能してみるのも楽しいはずです。山崎まさよしの歌声も最高に映画を後押ししています。

 

 

おすすめです。(※2019年8月U-NEXTで観れました)

 

 

 

第1位「君の名は。」

今までいろいろ作品をご紹介してきましたが、やっぱり「君の名は。」が1番おもしろいですよ。

僕の中で、監督の作品の中では2019年の現時点では最高ランクになります。


「君の名は。」は2016年に公開されたのですが一気に人気作となり、若者からお年寄りまでとても満足度が高った作品です。


もう社会現象をおこしたほど人気作になりましたよね。


2016年当時の僕は、あまりピンとくる作品がないなぁと感じていました。

 

タイタニック、アルマゲドン、ロッキー、昔はもっとガツンとくる映画があったし、その映画を何度もみてはまた観る、特に大好きな映画は飽きるほど何度も見ていました。


アニメで言えば、ドラゴンボールや名探偵コナン、大御所の宮崎駿、もっと昔で言えば漫画の巨匠、手塚治虫作品といったところでしょうか。

宮崎駿作品の新作が出ると知れば、誰より先に劇場に向かったものです。


とにかくピンとくる映画があまりなかった年だったような気がします。


映画も終わりなのかな・・・虚しい気持ちと期待を胸に、「僕はもう映画鑑賞から少し離れてみよう」と考えていた年だった。

そこへ来て2016年!「君の名は。」がドカーン!ときました。

なんかとっても嬉しかったです。


これから先も劇場公開を見る希望が湧いたというか、劇場公開には計り知れない力があるんだと。

 

「ストーリー」


映画「君の名は。」は現代の日本を舞台にした少年と少女の物語。
高校生の(みつは)は山奥の田舎に暮らしていて、男子高校生の瀧は東京都の高校生。
お互いに面識のない2人は夢を見ます。その夢は、現実のように具体的な夢で、相手の生活を体験する夢です。
その夢に隠された秘密はいったい何なのか?そんなところから物語は進んで行きます。

「登場人物:声」


立花瀧(たちばなたき):神木隆之介
宮水三葉(みやみずみつは):上白石萌音
宮水四葉(みやみずよつは):谷花音
宮水一葉(みやみずひとは):市原節子
宮水俊樹(みやみずとしき):てらそままさき
宮水二葉(みやみずふたば):大原さやか
勅使河原克彦(てしがわらかつひこ):成田凌
名取早耶香(なとりさやか):悠木碧
ユキちゃん先生:花澤香菜
奥寺ミキ:長澤まさみ
藤井司:島崎信長
高木真太:石川界人
瀧の父:井上和彦
勅使河原の父:茶風林
勅使河原の母:かとう有花

 

「感想」

男と女が入れ替わるというストーリーは、おもしろいですね。

実は、人間が入れ替わる映画も結構あります。

映画「フェイス/オフ」や「ホットチック」、「転校生」など。


とくに「転校生」には笑わせてもらいました!


小林聡美と尾美としのりのハチャメチャぶりな演技には笑えます。

 

この作品は伝説的作品なので、運がよければ見ることができるかもしれません。

ですが、転校生を、大林宣彦監督が25年ぶりにリメイクしています。


「転校生 さよならあなた」

 

 


「フェイスオフ」はどちらかというと本気モードというか、怖いです。

さて、「君の名は。」どうだったのでしょうか。

アニメーションとしての男女が入れ替わる作品は他に見たことないです。

内容としては、とても新しさがあり、近代的な現代の高校生にある風景をそのまま伝えている感じがしました。

映像はもちろん最高ですし、キャラクターも際立っていました。

ストーリーも十分楽しめるストーリーとなっていますし、見ていてドキドキ感があります。

実はこの作品、作画監督は安藤雅司さんなんですね。


安藤雅司作画監督は、宮崎駿作品やエヴァンゲリオンにもかかわっている作画監督です、

だからなのか、作画がさらに良いものになっていると感じました。


神木隆之介や長澤まさみ、「家政婦は見た」でおなじみの大御所「市原節子」といった今をときめく人物が声も担当しているのもいいですね。


実は、市原節子さんは、まんが日本昔ばなしでも活躍した女優さんなんです。(その語り口調は昔ばなしにはいなくてはならない存在)


さらに、ラッドウィンプスの音楽もとても心にくるし、野田洋次郎の作詞作曲も映画を縁の下からささえるものにしています。


物語の内容なのですが、まだ「君の名は。」を観ていない方もいると思いますので、詳しいことは映画をご覧いただければ良いかと思いますが、


僕が最後にお伝えしたいことが1つだけあります。

この作品は今まで誰も経験したことのないアニメーション扉だと感じました。

数あるマンガも楽しいものですが、マンガや小説から新たに生まれるアニメーションという「風に革命をおこしたほどの名作」だと感じます。


おすすめです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

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