U-NEXTでおすすめ韓国ドラマといえばいろいろありますが、「風の絵師」はおもしろかったです。
18世紀朝鮮時代に実在した2人の天才画家のお話。
特に絵を描くことで悩んでしまったり、息詰まってしまったり、迷ってしまったりした時、この作品を見ることで、スッキリするかもしれません。
というのも、この作品は、絵描きの心の中にある部分や絵の中にある本質的な部分をついている作品で、そういう場面が参考になったりします。
実際に主人公は悩みまくっています。
18世紀朝鮮時代、主人公が学ぶ王室の画事を担当する図画署では、主人公が描きたい絵を描くのはダメでした。
けれど、主人公は、描きたい絵を描いてしまいます。
その中でいろいろなトラブルにみまわれることになりますが、それを助ける人の愛が感動できるし、また悪者の存在も腹が立ってきますが、それぞれ個性がある悪者です。
だからこそ絵に少しでも興味があるなら、この作品を見て何か感じられるものがあるに違いないと確信しています。
また、絵を描かなくてもこの作品を堪能できる要素は結構あるはずです。
僕はもともと、風の絵師の20話を見損なっていたので、動画配信サービスで全話を一気に堪能しました。
風の絵師全話が見放題でみれるのは、「U-NEXT」と「FODプレミアム」です。
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ドラマの内容に関してはもちろんネタバレしないようにしますが、(おもしろさが損なわれます)この作品の良さをお伝えするために、「すべてを伝えない」にはどうしても無理があります。
それぞれ「ポイント部分」だけ少しネタバレすることもあることを了承ください。
原作:イ・ジョンミョン
演出:チャン・テユ、チン・ヒョク
脚本:イ・ウニョン
主題歌:「風の歌」 チョ・ソンモ
・キム・ホンド(パク・シニャン)
・シン・ユンボク(ムン・グニョン)
・キム・ジョニョン(リュ・スンリョン)
・チャンヒャン(ムン・チェウォン)
・正祖(ペ・スビン)
・チャンビョクス(キム・ウンス)
・イ・インムン(パクヒョクォン
・シン・ハンピョン(アン・ソックァン)
・シン・ヨンボク(イ・ジュン)
・ホン・グギョン(チョン・インギ)
・チャンスン(イム・ジウン)
・キム・ギジュ(チェ・ジョンウ)
・イ・ミョンギ(イム・ホ)
・・・他
【師匠と弟子の出会い】
1話から師匠と弟子の関係になるキム・ホンドとシン・ユンボクの出会いがあります。
僕は最初オープニングで韓国ドラマの凄さをあらためて感じていました。
「私はある人のことを話したい」
「私は今嬉しさと苦痛を感じる」
キム・ホンドが野原の土手を歩きながらいうセリフです。
そのあと曲が流れだしますが、心地よい歌でドラマが始まっていきます。
「あの人を思えば嬉しく」
「あの人を失うことは苦しい」
「あの人は私の弟子で」
「私の師匠であり」
「私の友達であり」
「そして」
「恋人だった」
キム・ホンドが小屋に入った時、
小屋の中に置いてある額縁に、1枚の女性の絵が飾ってあります。
このシーンがとても興味深く、いったいなんの絵なんだと不思議に思いました。
男が絵を見て号泣していますが、何を泣いているんだろうと感じていましたし、
途中、この絵を女性が描いているのを見たので、絵を描いている女性はどこにいったんだ?
と不思議に感じたのですが、この数分間の序盤のシーンだけで、この作品はおもしろいに違いないと僕は確信していました。
韓国らしい演出だなとも思ったのですが、さすがにこのシーンは謎めいていてみたくなります。
歌の良さにつれられてもあったと思いますが、次が見たい、僕の中ではただそれだけでした。
【描く意味】
キム・ホンドは図画署(トファソ)の先生になるのですが、授業で生徒に教える話も結構参考になります。
※図画署(トファソ)とはその時代宮廷画家といわれ、宮中の業務を行う専門機関のこと。
ホンドはのちに弟子となるシン・ユンボクにこう言います。
「描くとはなにか?」
ユンボクはこう言います。
「描くとは懐かしさではないかと」
「懐かしさが絵になったり」
「絵が懐かしさを生んだりしませんか」
「懐かしい人がいれば」
「その人が思い出され描くので」
「懐かしさは絵になり」
「またその人の絵を見ていれば」
「忘れていてもその人が懐かしくなるので」
「これは絵が懐かしさになるということでは?
「描くことはすなわち懐かしさです」
この懐かしさという考え方、ホンドも同じ考えをもっています。
だからホンドはユンボクが気になっていくのですが、
とても興味深く、心に深く残る考え方だと感じていました。
ドラマでは、絵のことをいっていますが、僕は写真でも同じことが言えると思っています。
「なぜ写真を撮るのか」と聞かれたならどう答えるでしょうか?
写真を撮る理由もいろいろですが、1つの手段として思い出を残すためではないでしょうか。
それって、ユンボクが言った「描くことはすなわち懐かしさです」と同じ意味になりませんか?
懐かしい写真を見ると、その人や年齢を思い出します。
【絵の才能について】
ユンボクは描いてはいけない絵を描いてしまいます。
それが原因で大騒ぎになりますが、描いてはいけない絵を描いてしまったユンボクのせいで、兄のヨンボクを図画署から追い出されるハメに。
自分のせいで兄を身代わりにしてしまったユンボクはかなりの精神的ショックにおちいります。
師匠はユンボクの代わりに自分の手を犠牲にしてまで、ユンボクを守ろうとしますが、そんな師匠愛、今の現代社会では失われつつあります。
それにしてもユンボクは絵の才能がスゴすぎて見ているだけで気持ちがよくなってきます。
もちろん現実に絵を描くには才能はあったほうが良いでしょう。
けど僕の考えですが、才能がなくても大丈夫です。
もともと人間の脳の中身は大差ないといわれています。
すなわち、努力によって、才能がある人に近づくことはできると僕は信じています。
もし絵とかそれ以外でも何かを行っていて才能がないことでお悩みなら、少しズレますが、「1万時間の法則」というのがあります。
1万時間の法則とは、なにか1流として成功するには、1万時間の努力と学習、練習が必要だということ。
うまくいかない、できない、そう悩んでいるなら、マルコム・グラッドウェル氏の天才!成功する人々の法則が参考になります。
【絵の参考になるところ①】
ホンドとユンボクは市場へ出かけます。
そのあと2人で絵を描くことになったのですが、
描くための大きな紙を壁一面に用意し、白紙の紙の前で師匠が弟子にこう訪ねます。
「見えるか?」
なにもない白紙におどろいた弟子のユンボクは、師匠にこう答えます。
「なにがですか?ただの紙です」
師匠は言います。
「ただの紙に見えるのか」
「必要なものは揃っている」
「もう出来上がりだ」
「ここに描く者の心と描かれる者の心がすでにある」
そういって師匠は人物画を次々と描きはじめます。
師匠は言います。
「まだ見えないのか?」
そしてユンボクは気づきます。
「市場で会った人たちですね」
師匠はこう伝えます。
「見えるもので見えないものを描く」
「見えても見えず、見えなくても見える」
「見えないものでもその真の姿を知り」
「描く楽しさを知りその境地を知れば・・・」
弟子が言います。
そうなれば、
群仙図(クンソンド)のような道釈人物も描ける。
市場の人のように生き生きと描けます。
(※道釈人物とは道教や仏教関係の人物画の総称)
師匠は言います。
「そうだとも」
「そうなれば風景にとらわれることなくすべてがお前のものになる」
「無限の線が3個の点を貫くようだ」
僕はこのシーンが好きで、出会った人の顔を覚えるために参考にしています。
師匠がいう、「見えるもので見えないものを描く」という考えは、
意識しないと、普通はなにも見えていないということを言っています。
普段私達が目にする情報は見えるもので、毎日見れます。
ですが、毎日見ているからこそ難しく、見えているようで見えていないことが多いです。
わかりやすく言うと、例えば道を歩くとします。
歩きながら人や景色、犬や猫など、色々なものを目にすると思いますが、それは、道を歩いていて自分が見たという情報だけにすぎません。
自分が「見た」と思っているのは、自分が見たと思っている少しの部分だけで、実際は何も見ていないのです。
たとえば、歩いていて目の後ろ側が見えますか?
そこにあるものすべてを見ることは不可能とはいえないですが、難しいのです。
そういった見えないものを、絵描きや写真家が徹底的瞬間を撮っているのです。
鳥が羽ばたく瞬間や恋人同士が微笑む瞬間など、そこにある風景を詳細に描くだけでは、見えるものも見えてこないという教えだけでも見る価値はあります。
【その②】
師匠たちは王の肖像画を描くことになります。
肖像画とは特定の人物の顔や姿を描くことですが、
王の肖像画を見るだけでもグッとくるものがあります。
卓超した絵の繊細さを感じたし、人物画に挑戦する前のポイントなども参考になります。
そこで参考になったポイントは「三停(サムジョン)」と「五岳(オアク)」があります。
三停とは、人の顔の特徴部分3部分のこと。
頭から眉(マユ)を上停、眉から鼻を中停、鼻から顎(アゴ)を下停とする。
五岳とは、顔の特徴の5つの丘のこと。
「三停五岳」
人の顔の三停五岳にどんな差があるのかをよくみること。
人の顔の特徴をよく見て描きなさいという師匠の教えなのですが、
人物画に興味なくても参考になるしおもしろいです。
日本でいう人相術のことですが、顔の部分を3つの線で分けると、顔の特徴を深く捉えることができます。
【愛を感じる】
この作品はとても愛を感じます。
とにかく師匠愛があふれています。
ユンボクは試験日穴に落ちてしまうんですが、会場にこないことを心配した師匠は必死にユンボクを探します。
その後もユンボクに対する師匠愛は、どんどん増していきます。
それを気持ちわるいと感じるのか、いい人と感じるのかはわからないですが、
弟子の合格のために必死になるというその姿はもうスゴイとしか言いようがありません。
そして、最初から最後まで師匠は誰よりも愛があふれた男であり続けます。
ユンボクを助けるためにいつでも必死です。
もう1人、チャンヒャンもまたユンボクに対する愛がスゴイです。
酒の席で琴を弾くチャンヒャンとユンボクは出会ってからというもの、強い絆で結ばれていくのですが、チャンヒャンの存在もまたどこか心にきます。
チャンヒャンは、ユンボクのために自分のすべてをみせることになっていきます。
ユンボクにとってチャンヒャンはとても大切な人。
チャンヒャンにとってもユンボクはとても大切な人。
なぜか心が温まります。
チャンヒャンはユンボクの絵のためになんでも尽くしてしまいます。
チャンヒャンのおかげでユンボクは描くことができているような、それほど重要な関係なのです。
最後にもう1人、兄の存在が泣けます。
兄のヨンボクがユンボクのために顔料を作っていくのですが、
弟を想うヨンボクの強い気持ちには泣けてきます。
危険を冒してまでユンボクのためにすべてを尽くすその想いは、
師匠を超えています。
結構ドジなオーラが漂っている感じがしますが、そのたびにお兄ちゃん大丈夫かよ、とつぶやきながらそのキャラがとても心配になっていきました。
中毒になり足場の上から転落したりした時は、もうやめてくれ!
そう感じながらも心配がどんどん増していきます。
そんなヨンボクなのですが、弟のために頑張っている理由のセリフが最高でした。
ヨンボクを心配している女性が言います。
「弟だからといってここまでするの?」
ヨンボクは言いました。
「あいつは私だ」
「あいつが笑えば私がうれしい」
「あいつが泣けば私が悲しい」
「自分が幸せになるためにあいつを助けたいんだ」
すごく心に伝わる言葉で、人生の教訓にしたいほどの強烈な言葉です。
それほど愛というものを感じさせられる作品なので、
恋愛系が好きな人は楽しめるかもしれません。
【秘密】
実は「ユンボクには大きな秘密」があります。
ここでお伝えすることはできませんが、琴を弾くチャンヒャンにユンボクの秘密がバレそうになってしまいます。
このシーンのドキドキ感はとてもみどころです。
秘密ってバレそうなときが1番おもしろいんですよ。
人の本当の秘密がバレそうな時、眼光開いて耳を鹿のようにすまして絶対経過を知りたいですよね。
【絵を鑑賞しストレス発散】
この作品は、とにかく現実に絵がたくさん出てきます。
女性がブランコに乗っている絵や、洗濯場の女や民を描いた絵も楽しめます。
肖像画もいろいろ出てきます。
リアルに描く絵を見ていろいろこっちも想像できるので、そこがこの作品の魅力です。
僕は描くことより、見ることの方がストレス発散になるので、そこが魅力です。
また、描いた絵の意味を追求するのがこの作品の良さです。
何より絵を見てアレコレ議論していくドラマなんて今までみたことがありません。
【おもしろかったシーン】
師匠と弟子が王の肖像画を描くため一緒に寝泊まりしますが、
お風呂のシーンがよかったです。
ユンボクがお風呂に入るのですが、入浴中に師匠が入ってきます。
あわてたユンボクは師匠に出ていけと何度も繰り返すのですが、師匠はなかなか出ていきません。
そのやりとりがおもしろくてクスッと笑ってしまいました。
そのほかにも、クスッと笑ってしまいたくなるようなシーンがたくさんあるのもみどころです。
【悲しかったところ】
泣ける場面も多いです。
師匠が弟子をかばうために自分の手を犠牲にしてしまったり、
兄の事故やユンボクが死刑になるかもしれない場面もドキドキしますし泣けます。
悲しかったところは、1話から20話までたくさんあります。
しかし、1番泣けたのはやっぱり最終回の20話の後半です。
多分、20話の後半で悲しみをMAXに楽しみたいなら、1話の前半から見ることをおすすめします。
ですから、20話の後半部分まで順を追ってみてほしいというのが僕の気持ちです。
1話から順にみることで、20話をみたとき泣けますので。
【最後に】
今回は韓国ドラマをご紹介しました。
おもしろい韓国ドラマもいろいろありますが、この作品はおすすめなので、ぜひご覧になってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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