長渕剛主演の映画「太陽の家」さっそく観てきました!
衝撃的でしたよ、長渕剛が家を建てる映画の主演を演じるということで久しぶりにドキドキしました。僕は今回、この作品が実現されたことがとても価値があることだと思っています。
というのも、僕は今まで長渕剛が映画に出演することはもうないだろうと思っていたのです。
彼がドラマや映画に出ていた時代の作品をビデオテープがすり切れそうなほど何度もみてきた僕にとっては、彼が映画やドラマから退いた理由もなんとなくわかっていました。
それだけ、彼の演技をみてきた僕にとっては、もう長渕が「演技をすることはないだろう」と感じていたし、当時の彼も歌手活動だけに専念する、そう思っていたに違いはありません!
それがですよ、20年ぶりに映画に出演することになると知ったとき、僕は涙がでそうになるくらい嬉しかった。
20年という歳月を経てまた長渕の演技が見れる、本当に信じられないことが現実に起こったのです。
今回、長渕剛が大工の棟梁として「家を建てる映画」に出演することになるとはまた驚きでしたが、長渕っぽいなぁと感じていました。
すごく似合っている役だと僕なりに感じていますし、職人という選択肢がとても合っていると思いました。
長渕のファンでもそうでなくても、映画ファンならこの作品が気になっていると思うので、今回は映画「太陽の家」を観た感想を僕なりに述べていきたいと思います。
「キャスト&スタッフ」
川崎真吾:長渕剛
川崎美沙希:飯島直子
川崎柑奈:山口まゆ
池田龍生:潤浩
池田芽衣:広末涼子
河井高史:瑛太
監督:権野元
脚本:江良至・・・ 他
権野元はドラマ、相棒season17も担当している監督。
江良至はミナミの帝王劇場版も担当している脚本家。
「家を建てるこの作品の感想」
家を建てる作品の代表作といえば「みんなのいえ」でしょうか。
「三谷幸喜」監督脚本の名作ですが、僕はこの作品を見てなぜだか「みんなのいえ」を思い出していました。
「みんなのいえ」というつながりで、この作品を思い出したのには訳があります。
実は「太陽の家」のように、「家をつくる」という日本映画って今まであまりないんですよ。
映像でいえば、宮大工の西岡常一さんの思考をドキュメンタリーでみることができましたが映画はみたことがありません!
それだけ、昔から秘密とされてきたであろう大工の映像はあまり観ることができないのです。
あくまでも技術的な部分を見せるわけではありませんが、昔ながらの家を作っている感じがこの物語をおもしろくしています。
映画で大工用の図面(図板)を墨付けしている姿の長渕も良いです。
図板とは大工が平面図を大工用に書く図面なのですが、
そんな姿今まで映画を見てきて初めての光景でした、だからなのかとてもこの作品に引き込まれていきました。
(真吾)長渕が大工の棟梁として家を建てるという今回の作品ですが、僕がなぜこの作品の良さをご紹介するのかというと、実は「家にこだわっているこの作品の演出の良さ」がわかるからなのです。
昭和から平成、当時の良さというものが映画の中で再現されていることに嬉しさがあり、そして人間味あふれる昔ながらの考えや葛藤がとても懐かしく感じるんですよね。
年代的には当時の時代というものを知っている年代なら、懐かしさが漂ってくるようなとても感動できる作品に仕上がっているのです。
なので、お年寄りから若者まで楽しめる作品に仕上がっている映画ではないのかと感じています。
というのも、ただ単に長渕剛が大工の棟梁を演じているだけの作品ではないからです。
当時の昭和という時代にある背景をとても大切にしている映画だと感じたし、今どきの現代的な時代をそこなわないでいて古さをほどよく溶け込ませている演出がとても心地よく感じました。
最近僕が感じているのは、今の映画は昔の懐かしさという部分が欠けている作品のものが多くなっていて、とにかく近代的な演出が多いのですよ。
ロボットや宇宙や、ロケットやAIや未来、携帯電話やハイテク機械など、最近のウケを狙いすぎている作品が数多く目立ちます(それはそれで楽しいのですが)。
なので、この作品では大工というジャンルで「昔なつかしい当たり前にあったその当時にある自然的な風景」、演出をとてもうまく出せている作品だと僕は感じたんですよね。
その1つとして、「大工道具」にあります。
作品では、多くの大工道具を扱う長渕が出ています。
その大工道具というものは、近代的な大工道具ではなく昔からある大工道具ばかり。
例えば一般的に知られる大工道具の要であるカンナやノミ、そして木を削る機械のプレーナー、大工用の図面、(図板)など、最近の家造りからはなくなりつつあるものばかりです。
現場で木を削ることも少なくなっている現代で、当時の建て方をあえて表現している演出にググっときました。
「太陽の家」は、今どきの流行りの中にある近代的な家というものではなく、昔ながらの建築工法にある家、すなわち在来工法(軸組工法)にあります。
機械化されている現代ではなくなりつつある、木と木を組むホゾを「長渕自身が刻む」ことで、その様式が昭和では当たり前にあった家造りを演出しています。
ちなみに「ホゾ」というのは、柱を梁につなぐ細工のことです。
今では機械で行う「プレカット工法」が当たり前です。機械で簡単に木の継ぎ手や組み手が簡単に出来てしまいますが、当時はノミを使って職人の手で1から作りあげていたのです。
僕はその当時にあった時代背景と長渕剛とが最高につながっていると思ったし、その時代から今の彼がいる時代背景がとても懐かしく感じる作品になっていると感じたのです。
そういう演出が、よけいなものは省いて、いつの時代にもあるはずの人間同士の葛藤やホッとするようなぬくもりの良さを際立たせている作品だと感じました。
師匠である大工の棟梁から愛情をうけた真吾は、自らが棟梁という立場になり師匠と弟子の本来あるべき姿をぬくもりという形で表現している演技は、長渕ならではの「ぬくもり」がとてもうまく
伝わってくると思うし、その演技は本当に彼だけの凄さだと思うし、今の年齢になった長渕の凄みを感じずにはいられませんでした!
「とんぼ」時代から変化した演技力というのかオーラというのか、歳を得て培った熱いものがなぜか伝わってくる凄みがありました。
「おもしろかったところ」
やはり真吾役の長渕をみれること、これにつきるのではないでしょうか。そして川崎真吾の女房として家庭を支える川崎美沙希役演じている飯島直子の素直で気の強い女性役が
この作品を引き締めています。
飯島直子のハキハキとした力強いセリフは、いくつになってもやんちゃな真吾を支えている強い存在です。
そういった女房役がとてもすんなりと感情を惹きつけられました。
そして池田龍生役の潤浩、子役の存在がとても大きいと思います。
子役の存在が素直にとてもかわいいし、感情が惹きつけられました。
龍生くんの母親、池田芽衣役を演じた広末涼子の演技が久しぶりでした。
彼女も少しずつ歳をかさね、今では母親役です、アイドル時代から彼女の演技をみてきましたが、やはり母親役も様になっていますね。
ちょっとした笑顔や悩んでいる顔など、子をもつ母親の葛藤が表現できていました。
気になっていたのは川崎柑奈役の山口まゆさん。
彼女の演技にも注目していました。
真吾の娘役でしたが、真吾とのケンカのシーンが特に印象深かった。
子の思いをその歳にある感情をうまく表現し、長渕の演技力にも負けていなかったように思います。
そしてこの人の演技力を忘れてはいけません!
河井高史役を演じた俳優の瑛太。
瑛太といえばまほろ駅前多田便利軒ではくねつした演技でその演技力を見せつけられましたが、
駅前多田便利軒のような、気の強い素直な役がとても似合いますし、見ていてあきがこないです。
僕にとって瑛太の演技はそういう演技が好きなのですが、今回の役もまっすぐな男役を演じています。
高史の剃りこみのような髪の毛が気になっていましたが、真吾に対する思いを熱く表現するその姿は、この作品でしか見ることがきない瑛太の熱い演技です。
本当に表現力がすごい俳優なので、ケンカの1シーンだけでもゾクゾクと背筋が寒くなるほど想いが伝わってきます。
この作品の内容もおもしろい部分ではありましたが、やっぱり長渕の独特の演技が妙に伝わってきておもしろいです。
子供とのスキンシップを表現するシーンでも他の役者が同じことをしても伝わらないでしょう。
長渕だから良いし、長渕だからみたいと思ってしまう。
そしてこの作品に必要だったのか迷う、長渕のトレーニングシーン。
柱にゴムチューブをつけて引っ張ったり、上から垂れるロープと掴んで腹筋運動をしたり、裸でトレーニングしているシーンは必要だったのか。
少し迷ってしまいましたが、それも確かに今の長渕らしいというか、昔の肉体からは想像もできないほどキン肉マンに変身している姿をみていると、それはそれでヨシとする愛着も出てきてしまいます。
ですが、懐かしい匂いや味というものをごくんと味あわせてくれるような演技、俳優としてのその実力は本当にまったく衰えていませんでした。
「泣けたところ」
この作品で泣けたところは、父親としての子供に対する熱い想いと子供たちの熱い父親の対する想い。
その父親に対する大好きという想いは感謝としてぶち当たるシーンが泣けるシーンです。
子供たちは、真吾が結局好きなのですよ。
ですが、真吾はいつも自分勝手に行動します。
この部分が子どもたちは気に入らない。
なのでケンカします。
ですが、結局感謝の言葉を伝えるシーンなどを見ると泣けてきます。
後は龍生くんと真吾のお別れのシーン。
この部分は大事な部分がネタバレになってしまうので言えませんが、
この作品を見ればこのお別れのシーンで泣ける意味がわかりますが、
それはこの作品をご覧になって泣いてください。
※僕はこのシーンがすごく泣けました。
この作品、やはり当たり前の風景を当たり前に感じられることができる幸せ感でしょうか。
大切な人がいれば良い、その幸せ感に気づかせてくれるほのぼのとした演出になっています。
「主題歌:Orenge」
演出の泣ける部分をさらに後押ししているのが、長渕の曲「Orenge」です。
この曲、本当に感激しました。
というのも、久しぶりにキターという感じで嬉しくなってしまいました。
なぜかというと、最近の曲はこういう「ぬくもり」を歌う歌ではなく荒々しい男の曲が多かった。
だから昔みたいな曲に戻った長渕に涙がでるほど嬉しかったのです。
正直僕は昔の曲が好きです。
祈りや順子、とんぼなど、「昭和」「逆流」「JEEP」などのアルバムに入っているような時代の歌が好きなのです。
それが今回の作品で流れる主題歌を聞いたとき久しぶりに感動しました。
いいですよ、この曲。
オレンジ色の風景とやさしさの意味、湯船に浸かるかのようなそっと心地よいぬくもりに浸ることができます。
子守唄を歌っているかのような歌詞と音楽、ついにこの境地にたどり着いたんですね。
とても嬉しいし、こういった曲をもっと歌ってほしいというのが僕の正直な感想です。
「長渕剛おすすめ作品」
ドラマや映画作品もそれぞれありますが、僕がみて好きだった(おもしろかった)作品をご紹介します。
「ドラマ」
:家族ゲーム
:親子ゲーム
:とんぼ
:しゃぼんだま
:RUN
:英二ふたたび
「映画」
:男はつらいよ幸福の青い鳥
:オルゴール
:英二
良かったら観てくださいね。
「最後に」
お母さんを歌った歌「MOTHER」お父さんを歌った「歌鶴になった父ちゃん」そして「西新宿の親父の唄」など長渕は愛する人を歌っている頃のその歌はとても僕の心にくるものがあった。
そして今作で見せた演技と歌。
僕は長渕の演技と歌に出会って良かったと思う。
これからもさらなるご活躍が楽しみですね。
そしてさらに今後もまだまだたくさんの
映画作品をいっぱいみていきます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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