男はつらいよ お帰り寅さんが12月27日(金)劇場公開されました。
この作品は、渥美清を演じた車寅次郎をCGで再現しオリジナルキャストと過去作品の名場面をつなげて完成させた国民的映画の50作目の新作。
寅さんといえば、今まで僕が観てきた映画作品の中でも上位にいる作品。もう作品を作ることはないと思っていたので50作目が出ると知ったとき、びっくりしてしまいました。
「男はつらいよ」のファンの1人としては以前から楽しみにしていた映画だったのでさっそく観てきました!
だから今回は、「男はつらいよ お帰り寅さん」の感想をお伝えします。
「あらすじ」
葛飾柴又の帝釈天の参道にあった「くるまや」の店舗は新しくカフェに、その裏手に昔のままの住居が変わらずあります。満男は法事のあと、その住居でさくらや博士たちと昔話に花が咲く。
そんな中、サラリーマンから小説家になった満男は、最新作の評判が良くサイン会をすることに。サイン会で、昔の初恋の相手、及川泉に出会う。
満男は泉に会わせたい人がいると泉をJAZZ喫茶につれて行く。そこで出会った相手に驚くイズミ、その相手は奄美大島で20年前に出会ったリリーだった。
その後イズミは「くるまや」を訪れることになったのだが。
「面白かったところ」
その①「寅さんの毒舌」
寅さんのおもしろさといえば落語家さんのようにおしゃべり上手なところ。
作品の中で寅さんが登場するだけで「ビシッ」と決まります。その愛くるしいほどの笑顔とおしゃべりで誰もが入り込んでしまう。
それほど演技が素晴らしいトラなのですが、スクリーンの中でまたで出会うことができることにまず感動したのと、寅さんと周りにいる登場する人物のすごさ、
そして何よりおもしろいオチがまた見れたことに感動しました。
そしておもしろいオチ(ギャグ)や話が再認識できる喜びがありました。
今まで僕は殆ど「男はつらいよ」を全作観てきました。DVDや最近ではネットフィリックスなどの動画配信サービスでまた見ることが多くなってきましたが、
名作を何度観ても、名場面を何度見ても、時間とともにどうしても忘れていくものです。
今回の新作で、過去作品の名場面を出しているシーンは、今までの49作からすればほんの1部分なのですがすっかり忘れてしまっていました。
僕はあの名場面があったことを新作を見るまで忘れていたのです。
懐かしいあの名場面を再度見れた気づきに感動したし、また笑えたという事実が山田洋次監督の凄さとキャスト、そして寅さんの凄さを再認識できました。
「それはメロンのお話」
メロンの名場面です。
寅さんは、「自分のメロンが用意されていないことに腹を立てる」このシーンはやはり何度みても面白いし、もっと面白いシーンは今までの作品の中で数え切れないほどたくさんあります。
その②「満男の演技」
新作では、満男は小説家になっているのですが、今の満男と当時の満男の成長を再認識できたおもしろさが僕にはありました。
当然、そのような演技がおもしろくなかった人もいるでしょうし、なんともなかった人もいるのもわかります。
吉岡秀隆という役者の今と昔を見れたことが僕にはおもしろさになります。
今の演技が見れたことに意味がありますし、当時の「北の国から」最近では「三丁目の夕日」や「Dr.コトー」などほとんど見てきた僕なりの感想として、今の満男が見れて良かったということ、そして僕なりに感じたおもしろい部分もあったということ。
新作での満男の演技は、今の満男をリアルに演技していると思いました。
格好つけるわけでも、恐ろしいほどのギャップを見せるわけでもないのですが、満男はそれで良いのです。
その③「及川泉」の出演
驚きました!後藤久美子さん、今回メインで出演しています。
久しぶりですね、たしか1993年に公開されたジャッキー・チェン主演の「シティーハンター」から彼女の演技を僕は見ていませんでした。
出演されたことがとても嬉しかったし、やっぱり美人です。
演技は、久しぶりなのか、やや棒読みなところがみうけられましたが、それでもしっかりと役どころをこなしていたと思うし、
当時と変わらないその美貌は、当時見ていた時代を思い出してしまいます。
ほんと変わらないその雰囲気は、それだけでも観たメリットがありました。
その④「さくら」の演技
この作品は「さくら」(倍賞千恵子)の存在がとても大きい作品です。妹として寅さんを支えてきたその存在感は絶対にいなくてはならない妹役です。
さくらは満男の母親としてこれまで満男を支えてきたのですが、
満男を生んだということ、そして肝心なのは博士に出会ったことなのです。
当時さくらと博士は結婚をしました。
その経緯として寅次郎が関わっているのです。
もちろん寅さんファンなら当然知っていることなのですが、
新作ではその結婚理由を過去作品でつなげています。
その名場面を観た瞬間、僕は映画館で見れる幸せみたいなものを感じていました。
大きなスクリーンで見るこの名場面、やはりおもしろいですよ。
懐かしさ100%です。
その⑤「松岡リリー」(浅丘ルリ子)の演技
「男はつらいよ」といえばこの人物!リリーを忘れてはいけません!
リリーは寅さんが出会った女性の中でダントツに相性1番の女性だと思うし、リリー出演作品はとにかく面白いです。
男はつらいよシリーズの25作目の「男はつらいよ寅次郎ハイビスカスの花」は名作であると同時に、リリーはホント最高に記憶に残る人物です。
寅さんとリリーの関係がとても切ないし、楽しいし、おもしろおかしくて楽しめます。
実際にこの2人の関係が好きな人も多いと思います。
男はつらいよ寅次郎ハイビスカスの花の最後のシーン、バス停で2人はまた出会い、2人はバスに乗り旅の続きをするシーンなんて最高すぎますよ。
当時、もっと続きを観たいのに作品は終わっていく寂しさがたまりませんでした。
そんなリリーが登場するとは、やはりそうきたかっ!て感じですし、ジャズ喫茶で働くリリーのその後が見れたこと、懐かしのあの名場面、結婚するのかしないのかのシーンが出ます。
寅さんのことが好きならそんなの知っている場面だよ!って感じになりますが、今と昔をつなげている場面は今回初めてなので、
また違った感じの雰囲気が楽しめると思います。
今の浅丘ルリ子さんの演技も楽しめるはずです。
「泣けたところ」
作品をみながら懐かしさに浸っていました。
もし寅さんが今も生きてくれていたならこの作品も吹っ飛ぶほどの作品が出来上がっているのではないかと。
ですが、寅さんの演技を観ながら思います。寅さんは僕の中でいつまでも生き続けていると。
映像という世界で僕は寅さんをいつでもみることができることにも感謝しました。
こうしてまた寅さんを見ることができるのだから。
これほどまで強烈な役者はあまりいませんが、最近では観たいときに観たい作品を簡単に見ることができます。
「男はつらいよ」は寅さんにとって本当に大切な作品だったに違いありません!
それは、この作品が好きな人も同じだと思います。男はつらいよが大好きなはず。
アレコレ色々なことを感じながら、「懐かしさという最高の宝物をこの作品で感じることができた」という気持ちは確かにありました。
その懐かしさが僕は最高に泣けました。
そして泣ける部分は人それぞれだと思います。寅さんが登場するシーンが、当時を振り返ることになるのは間違いないです。
とらやのちゃぶ台に座っている寅さんに泣けるという感情になるかもしれませんし、満男と泉の海辺のシーンで泣けることもあるかもしれません。
どこか1つ泣けるシーンがあなたの中にあると思いますが、それはこの作品の中にないかもしれませんしあるかもしれません。
「泣けたところ」と見出しにしておいていい加減に感じるかもしれませんが、
しかしながら、新作の泣けたところで終わらせてほしくないのが僕の正直な気持ち。
この作品を通じて1人でも多くの人がこの作品をもっと好きになってほしいと感じています。
だって、泣けるシーンは、今までの作品の中にすでにあるはずなのです。
「残念だったところ」
残念だったところは、もっと「男はつらいよ」を出してほしかったところです。
例えば、寅さんといえば旅ですが、旅といった部分をもっと出してほしかった。
寅さんが行っていたテキ屋といえば屋台。
例えばですが、屋台が並んでいる行列の中で満男と泉が歩いているシーンとかあったらもっと良かったし、昔風の風景をもっと出してほしかった、そうすれば当時の雰囲気がもっとリアルに蘇ってきたかもしれません。
今作では、近代的な部分を出すならもっとアレンジしてほしかったし、もっと名場面を出してほしかったし、タコ社長の部分などもっと出してほしかった。
タコ社長と寅さんのケンカもおもしろさの上位に入るので。
残念だったのは主題歌です。
今作では桑田佳祐さんが歌っているのですが、渥美清であってほしかった。
僕は桑田佳祐さんの歌が好きなんですが、だからこそ渥美清であってほしかったのです。
男はつらいよの主題歌は寅さんの歌が好き。
桑田さんが歌うとどうしても違和感があり、新作らしくないような気がして残念に思いました。
桑田佳祐さんの歌は桑田佳祐さん、寅さんの歌は渥美清さんであるのが純粋にこの作品を楽しめると思います。
寅さんらしい作品であってほしかった。
「最後に」
当時、寅さんが和尚様にイタズラをするシーンなどもホントに面白かったな~と昔を思い出しながら今作の感想を僕の視点で述べてきましたが、
今作を観て僕は良かったと思っています。
当然今までの作品の方が良い作品もたくさんあり、泣ける作品もたくさんあります。
お金を払い映画館で映画を観るにはお金だけではなくその時間も必要です、できれば最高の作品であることが僕の想いです。
ですが、あの当時の出演者が今出演していることを考えると素晴らしい作品に巡り会えたと感じます。
さくらや博士、満男や泉ちゃん、リリーの今をみることで、観たメリットは確かにありました。
そして、確かに今作も階段があったということ。
というのも、とらやの奥のテーブルでは、その後ろに階段があるのです。
そう、当時寅さんが旅から帰ってきたとき、真っ先に寝る寝床がその階段の上にあります。
とらやの奥の居間と土間の後ろにある階段をながめると、今もその階段が後ろにあることにホッとしました。
確かに後ろの階段は今作にもあると。
テーブルの中で寅さんや家族たちが様々なことを語り、楽しい話や悲しい話、切ない話や困った話、たくさんの話をしていたその後ろに階段はあるのです。
こうして述べているその瞬間にふと、寅さんが怒って出ていこうとしているその後ろの先には階段があることを僕は思い出すのです。
今作でも階段があることになぜか嬉しくなるのです。だから階段の見える前で寅さんが怒っている姿がその場でふと蘇ってきます。
階段の見えるその前で、たくさんのドラマが「とらや」ではあったのです。
新作を観たあと僕は旧作も観たくなり、男はつらいよ堪能していました。
やっぱり過去の作品でおさらいしたくなります。
なので過去の作品もおすすめですよ。
ですので、僕と同じ気持ちになることもあるかと思うので、過去作品を観るなら動画配信サービスではどこの動画配信サービスで観るのが良いのか迷う方のために伝えておきます。
動画配信サービスで『男はつらいよ』の過去作品を観たいのなら2020年の現在ではNETFLIXがおすすめです。
過去の作品はNETFLIXで存分に観ることができます。
NETFLIXは作品の本数が断然多いのです。
だから「男はつらいよ」の懐かしい作品を観たいのならNETFLIXをおすすめします。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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