火花は、お笑いタレントの又吉直樹が書いた初の小説です。
映画化やドラマ化がされたのですが、映画の動画配信サービスは、
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TSUTAYA TVでは映画「火花」をレンタルでみることができます。
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全10話のドラマとなります。
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映画もおもしろいのでどっちもみてほしいですが、映画とドラマどちらがおすすめなのか?
そう聞かれたら、僕はドラマをおすすめします。
なぜ、映画ではなくドラマの方がおすすめなのか?
僕の率直な感想なのですが、ドラマの方が作品にすんなり溶け込めました。
その理由として、コンビ同士の演技がとても良かった。
ドラマの方が、小説の主人公に最も適していたコンビだと感じています。
ドラマ火花の主人公、徳永太歩を演じているのは、俳優の林遣都。
HiGH&LOW THE MOVIEで達磨一家の頭を努めたその演技力は、
創造を絶するほど味のある演技です。
今回「火花」を演じている彼は、全く逆の性格といって良いほどの人物ですが、
様々な役をいとも簡単に演じてしまうその原動力は、
いったいどこからくるのか不思議でなりません。
神谷才蔵を演じているのは、大阪出身、俳優の波岡一喜。
井筒監督の映画「パッチギ!」から数々の映画に出演し、
特にVシネマで演じている男の姿は、もうどの作品も迫力満点の芝居です。
また、映画だけではなく、数々のドラマでも大活躍をされています。
中身が濃いその演技力はもう圧倒的に存在感があります。
関西弁が本物で、本格的な迫力ある声で演じられます。
だからおもしろいのです。
この2人のコンビで演じられたこの作品。
僕は大好きでいまだに何度でもみています。
この作品がどんな内容なのかというと・・・
「火花のあらすじ①」
熱海の花火大会で、若手芸人たちが漫才をしています。
主人公の徳永もその芸人の中の1人だったのですが、
ついに徳永たちの漫才を披露する順番がきました。
漫才をしている最中、花火大会が始まり、お客さんがどんどんいなくなっていきます。
それでも徳永たちは漫才を続けますが、だれも漫才を聞いていません!
漫才を終え、席に戻ろうとしていた徳永。
徳永の次に舞台に出てきた男にすれ違いざまこう言われます。
「仇をとったるからな」
その男の漫才がはじまると、一人ひとりに指差しながら、「地獄、地獄、地獄」と叫びだします。
そのありえないお笑いに徳永は魅了されます。
男は、花火大会の後、徳永を飲みに誘います。
そこの居酒屋で、「あほんだら」の「神谷」と名乗ります。
それから2人は、漫才について熱いトークをしていくのですが、
徳永は、神谷に「弟子にしてください」とお願いします。
神谷は徳永に言います。「弟子になりたかったら、俺の伝記を書いてほしい」
それから徳永は、神谷の言動をノートに記録していくことを始めます。
「火花のあらすじ②」
花火大会から1年たちますが、徳永のコンピ、スパークスがブレイクすることはありません。
それでも徳永たちは、漫才の練習をし、売れるために努力します。
そんな時、神谷から連絡がきます。
大阪の事務所に所属していたが、徳永のいる東京に拠点を移すといいます。
徳永と神谷は、同じ東京で度々会うことになります。
会うたびに議論していく仲になっていきますが、
神谷は、東京で真樹という女性のアパートで居候します。
売れない神谷を影でささえる真樹は2人を優しく見守っていました。
そんな真樹に彼氏ができます。
徳永は、無理に明るく振る舞っている神谷の傷心を感じ同情します。
真樹を失ってからも2人は度々会います。
個性的な神谷の感性と考え方に徳永は尊重していきます。
そんな徳永を慕う神谷もまた、人と衝突してでも、独自の漫才道を突き進んでいきます。
だからなのか、「あほんだら」はトラブルになったりしてあまり受け入れられません。
しかし、スパークスは少しずつ若手として注目されるようになります。
「火花のあらすじ③」
多額の借金をしている神谷。
いつも神谷に、店の飲み代を支払いしてもらっている徳永は、神谷の借金のことが気になります。
それでも2人は師匠と弟子の関係を続けていきます。
スパークスは1度は注目され始めたものの、TVに出ることはなくなっていきます。
そんな中、相方の山下の同棲相手が妊娠したことで、山下は芸人を辞めることになります。
山下が辞めることで、徳永も芸人を辞めることを決意します。
スパークスは解散することになります。
ある日、徳永はあほんだらの相方大林から話を聞きます。
神谷が借金で行方がわからなくなったことを。
それを聞いた徳永は、神谷のことが気がかりになっていました。
「火花のあらすじ④」
ある日、1人で食事をしている徳永の携帯に非通知で着信が入ります。
神谷からの連絡です。
2人は、久しぶりに店で顔をあわせることになります。
そこで、神谷から借金を自己破産したと聞かされます。
徳永は、久しぶりに会った店で、神谷の胸の異変に気づきます。
そして徳永は、神谷から驚くべきことを聞きます。
胸に「シリコン」を入れたと。
神谷は、徳永が笑ってくれると思って胸をみせましたが、
徳永は笑ってくれません!
元々みんなが笑ってくれるだろうと思って入れたシリコン。
でもみんなが笑ってくれない。
怖くなった神谷は、徳永だったら笑ってくれるだろうと思ってみせたのです。
それを見た徳永は、神谷に説教をしはじめます。
神谷がシリコンを入れた理由、そしてそれを見た徳永の想い。
2人の気持ちが交差していきます。
久しぶりに会った2人は10年前に来た熱海で花火をみます。
その後、2人で初めて入った同じ居酒屋で飲みます。
2人が泊まる部屋で神谷伝記を書く徳永。
風呂に入っている神谷が思いついたように何度も言います、
太鼓の太鼓のお兄さん。太鼓の太鼓のお兄さん。
「感想」
又吉直樹さんの才能は計り知れないですね。
やはりおもしろいです。
正直、みる前は、お笑い芸人だからそんなにたいしたことはないだろう、と思っていましたが、
見終えると、その内容の深さには驚かされる部分も多かったです。
漫才を中心にした物語はあまりありません。
お笑いというジャンル、漫才というジャンルを軸にした作品だけに、
とにかく新鮮でしたし、すんなりと作品を理解できました。
その1つとして、他者との関わりがあります。
徳永は、お笑いの成功を夢見て皆頑張っているのですが、
自分の中にある大切なものもあり、譲れない信念もあったりします。
神谷と出会ったことで、徳永は、誰よりも神谷を優先します。
そのことで、のし上がるために必要な人間関係を後にしていきます。
神谷という人物に出会ったことで、徳永は、自分にとって1番必要な人物だと感じ、
神谷といる時間がいってみれば自分の成長につながると感じているのです。
神谷は、徳永にない漫才もしますし、徳永にない信念もあります。
徳永は、そんな神谷を尊敬しただろうし、そうなりたいと思っていたりします。
ですが、作品を見ていると、神谷の方もそう感じていたのではないだろうかと感じてきます。
徳永のことを尊敬し、徳永のようになりたいと。
その理由は、徳永の髪型を真似したところにあります。
作品の中で、神谷が徳永の髪型や服装を真似するシーンがあるんですが、
それを見た徳永が泣きながら想いを伝えるシーンがあります。
このシーンって結構深いと感じたりしました。
普段、神谷は、人の真似をするのが嫌いだと言っています。
そんな神谷が、なぜ徳永のマネをしたのか。
そのあたりのシーンが深く、泣けてきたりもして、良かったです。
私たちは、人の真似って結構しているんですが、
そのような存在になりたいからではないでしょうか?
憧れるというか、
だけど、マネをされた方からすると、マネをされて嬉しいのか、それとも悲しいのか、
その場の状況や、その時の感情、お互いの人間関係や性格によっても変わってきます。
だからこそ、徳永が怒ったかのようなシーンはとても深いものにみえてきます。
結局、師匠である神谷自身が、徳永の1番の大ファンだったに違いありません。
そして、感動したのはそのシーンだけではありません。
スパークスは解散するのですが、最後のライブがあります。
そこで披露した漫才が本当に最高でした。
コンビ結成から10年間、お互いのことを振り返っていき、
その思いを漫才で披露します。
お客さんも巻き込んでいき、会場全員が涙する、
そんな漫才でした。
本当にあの漫才よかったです。
気がつけば、僕自身も涙していました。
映画もドラマも両方見てみると、その違いに好みが分かれるかもしれません。
僕はドラマが好きですが、映画とドラマの両方をみて楽しむのもアリです。
火花、おすすめです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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